放射線についての緊急学習会

6月25日(土)に、高木学校の出前講師として、板橋志保先生を国分寺労政会館にお招きして、放射線についての緊急学習会を開催しました。高木学校とは、物理学者・理学博士で核化学を専門とした故・高木仁三郎氏により設立され、市民の立場から問題に取り組むことができる「市民科学者」の育成をめざす目的でスタートした学校です。

当日は小さなお子さん連れのお母さん方をはじめ、60名を越える多く方の参加がありました。3.11から3ヶ月以上経過しても、未だに終息の気配すら見えない原発事故と放射線の被害については、前例のない初めての事態ということで国や地方自治体でも取り組みにバラつきがあるため、個人の判断で行動せざるを得ない状況が続いています。

板橋先生のお話では
・大量被ばくすると直後に死亡、嘔吐などの急性障害が起こるが、少し被ばくした場合は、数十年後にがんになるとう晩発性の障害が起こる
・年齢で影響度が異なり、細胞分裂の盛んな子どもは影響が大きい
・放射線は消せないので、時間が経って減るのを待つしかない
・対策としては、離れる、遠ざける、放射線が出ないように塞ぐ
・半減期が短い放射性物質は、それだけ短期間にたくさんの核物質を放出する
・γ線は弱いが長く飛ぶため外部被ばくに注意し、プルトニウム等のα線は飛びにくいが強いので内部被ばくに注意する

放射性物質を表す様々な単位については、人に向かって石を投げることを例にあげて
・シーベルトとは、体が受けるダメージを考慮した数値の出し方
・ベクレルは石を投げる個数
・グレイはぶつかった個数
・エックス線を1ミリシーベルト被ばくすると、各細胞の核に平均1本の矢が通る
と、分かりやすく説明していただきました。

食事面での対応策としては、植物の皮に放射性物質がたまりやすいことから、外皮の除去をすることや、放射性物質を減らすような調理方法の工夫は効果的とのことでした。また、食べ物の種類については何が良い悪いではなく、色々バランス良く食べることが大切であるとおっしゃっていました。

チェルノブイリでは5年後位から小児がんや白血病患者が増えているとのこと。国分寺ネットでも、これから育っていく子どもたちの被ばくを少しでも阻止するためにも出来る限りのことを行っていきたいと考えています。