「こくぶんじ育ち」の現状と課題について

平成23年12月議会 一般質問④

Q. 国分寺市では、平成9年から、市内で資源回収された雑古紙を「こくぶんじ育ち」というトイレットペーパーに再生し、一般市民への販売とあわせて市内の公の施設で使用している。ごみの分別、減量、さらに国内の雑古紙のリサイクルルートを確保しておくということと、合わせて障害者施設での作業を委託しているということでの障害者の就労支援という意味でも、大変有意義な事業であると評価をしている。市民への啓発を広げていくということは、「こくぶんじ育ち」をたくさんの市民に利用していただく必要ががある一方で、この事業を拡大したくても、売れば売るほど赤字になってしまうという価格設定になっている現状がある。具体的には1ロール20円の卸値が仕入価格28円を下回っており、販売価格の差損がロールペーパー1つにつき8円、12個入りの1パック当たり96円の赤字になってしまうという状況である。
 
この事業の目的を達成するためにも、「こくぶんじ育ち」を、国分寺市民から集めた雑古紙をリサイクルしてつくられたトイレットペーパーのオリジナルブランドとして、市民の皆さんにもっとアピールすること、そしてもっと多くの市民に利用していただくためには、販売価格や販路拡大の見直しを図り、適正価格の設定が必要であると思われるが、市の見解はいかがか。

A. 環境部長) 販売価格を上げると、逆に販売個数が減って市民の方にPRが不十分になってしまうという懸念や国内ルートの確保との兼ね合いもあるが、販売価格については今後、検討していきたい。

Q. 立川市では、「里帰り」というネーミングのリサイクルトイレットペーパーを、130メートル巻きで、1ロール68円で販売している。これを国分寺市と同じ65メートルに置きかえると、1ロール34円、国分寺市の28円の販売価格設定は、立川市と同等ぐらいの価格でも妥当であると考える。

また、他の自治体での取り組みとして、リサイクルトイレットペーパー1つにつき販売価格に1円の基金を設定して、その基金を市内の福祉車両の購入や野鳥の保全など、福祉や環境に関する用途に使っている等の例もあり、多少価格が高くなっても、環境や福祉の目的に使われる基金という仕組みがあれば、社会貢献という意味も含めて購入してみようかな、と思う方もふえるのではないだろうか。「こくぶんじ育ち」を国分寺のオリジナルブランドとしてもっと広く市民にアピールしていくためにも、このような基金であるとか、公共施設を含めた販売店の拡大なども含め、販売戦略についても御検討いただきたいが、いかがか。

A. 環境部長) 販売価格の検討、販売店舗の拡大を検討していきたい。市公共施設での販売は、関係部署と調整していきたい。基金については新たな提案なので、これから協議していきたい。