「高齢者・障がい者 権利擁護の集い」に参加しました その2 ~成年後見制度の利用をすすめるために~

高齢者や障がいのある人の金銭や財産の管理、介護保険や障がい福祉サービスの利用契約をご本人に代わって行うしくみとして、成年後見制度があります。この成年後見制度の申請件数は全国で年間約3万件あり、毎年10%近く増加しています。また、後見人の7割が第三者後見人(親族以外の専門職や市民後見人)という割合は、世界の中でも高くなっているとの報告がありました。

この成年後見制度は、認知症の人や障がいのある人が、地域で暮らすためにも重要な制度ですが、申請費用や後見人報酬が支払えずに利用できないという課題もあります。国分寺市では、市長が親族に代わって身寄りのない人の申請者となる「市長申し立て」のみ、費用助成を受けられます。12月議会で助成対象の拡大を求めたところ、「近隣市の状況を調査し、部内で協議をする」という答弁でした。

2017年3月に閣議決定された「成年後見制度利用促進計画」では、福祉などの関係者と後見人等がチームとなってご本人を見守る体制の整備を目指しています。立川市の取り組み事例発表では、その体制づくりにケアマネジャーや地域包括支援センター、障害者相談支援事業所など、個々人のニーズをキャッチし、専門機関につなげる地域のネットワークと、その課題を解決するための専門機関のネットワークが重要とのお話もありました。

このように、生活全般を見据えた支援の連携をすすめるために、国分寺市でも利用促進計画の策定や市民後見人の活動を支援するしくみ、さらには組織で後見を担う法人後見の取り組みを12月議会で求めました。担当からは「計画の策定を検討し、チームによる支援を実現していきたい。法人後見については、受任後の継続性や多職種での対応、個人で受任するより多くの方を担当できるなどのメリットがある。今後の担い手の育成などの観点からも検討が必要な事業だと考えている」との答弁がありました。

これからも、個人の尊厳が守られる本人主体の権利擁護のしくみと、地域での支援ネットワークづくりを提案していきたいと思います。