原発事故から考えるチェルノブイリ後のドイツとフクシマ後の私たち

7月10日(日)に本多公民館で行われた「原発事故から考えるチェルノブイリ後のドイツとフクシマ後の私たち」に参加しました。

講師の山本知佳子さんは、今から25年前にチェルノブイリ原発事故が起きた当時、西ドイツでジャーナリストとして暮らしており、放射能汚染の問題に直面されました。

お話が進むにつれ、チェルノブイリ後のドイツの状況が、あまりにも今回の福島後の日本の状況に酷似していることに驚きました。

今回の事故を受けて、日本でも各地域で市民グループが結成され、脱原発に向けての運動や放射線測定等の活動が行われています。ドイツでは市民自らの自治として、チェルノブイリから10年経っても放射線に関するニュースレターを当時から継続して発行している市民グループがあり、日本でも市民である私たち一人ひとりができることを始めて、それが共同になって継続していけるような活動が大切であるとのことでした。

また、福島の事故後、山本さんが外国人から必ず聞かれるという2つの質問が印象的でした。
「なぜ、あんなに小さな国、そして毎日地震がある日本に50基以上の原発を作るのか」
「日本は広島・長崎を経験してあれだけ放射能の怖さを知っているはずなのに、どうして原発を作るのか」

ドイツでは7月初旬に2022年までに国内17基の全原発を廃止する法案が成立しました。代替エネルギーとして、再生可能エネルギーを促進する再生可能エネルギー発電促進法も可決され、再生可能エネルギーの発電量の割合を現在の17%から2020年に23%、2050年には80%に引き上げます。この動きには世論の影響が大きかったそうです。

7月から節電対策が本格的に始まりました。今年は梅雨明けが例年よりも早く、夏の暑さも厳しくなると言われている中で熱中症等の事例も既に報道されていますが、この節電が一夏だけのイベントで終わらないように、生活のあり方や電気の使い方そのものを私たち一人ひとりが見直し、脱原発、そして持続可能なエネルギー社会への一歩を踏み出すきっかけになることを願っています。

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