ピースメッセンジャー~市民とともに取り組む平和学習について~

平成26年9月議会 一般質問⑧

国分寺市では、ことし、非核平和都市宣言30周年ということで、各種の取り組みが行われています。その中の1つである、8月15日の平和記念式と30日の平和記念行事に参加させていただきました。30日の平和記念行事は、昨年にも増して多くの市民、特に多くの子どもたちの参加があり、年々広がりを見せていることは大変評価すべき点であります。

また、展示スペースでは、原爆に関するパネル展示や市内小学校からの平和のメッセージツリーに加えて、市民から提供していただいた戦時中の品が展示されており、その中にあった、まさに硫黄島からの手紙の展示を見て、ちょうど同じ8月15日にテレビ放送されていた映画「硫黄島からの手紙」とも重なったこともありまして、私も戦争を知らない世代ですが、戦争が決してテレビの世界、映画の世界など、自分とは関係のない過去の出来事ではなく、今、このまちに住んでいる人が体験した、とても身近な出来事であるということを、そのとき、はっと思い起こされました。ぜひ、今後も市民からの提供品を募り、展示する取り組みを続けていただきたいと思います。

平和記念行事では、ピースメッセンジャーの子どもたちによる発表の中で、広島での体験を経て、どの子どもたちも、自分が見たこと、聞いたことを伝えていきたいという思いを持って、活動報告を発表している姿に力強さを感じました。ぜひ、この思いを持った子どもたちが、これからもさまざまな場面で主体的に発信し続けてもらえたらと思います。

ピースメッセンジャーの研修内容について、資料を作成していただきましてありがとうございました。ピースメッセンジャーの研修期間が、ことしから1日ふえて2泊3日になったことは、研修内容の拡充という意味でも評価いたします。 そこで、拡充された研修をより実り多きものにするために幾つか提案させていただきます。 

まずは、派遣前の事前研修についてです。2泊3日になったということで、ことし、初めて現地でヒロシマ青少年平和の集いに参加されたということですが、広島を始め全国各地から集まってくる同世代の子どもたちとの交流やワークショップなどを通じて、意見交換の場を持てたことは、ピースメッセンジャーの子どもたちにとって大変意義深い体験であったと思います。そして、貴重な機会であるからこそ、事前の準備をしっかりしていくことで、より主体的に交流できる場となるのではないかと思います。

ことしのピースメッセンジャーは、12名の定員に対して応募が20名以上あったと伺いました。そのような現状も踏まえて、事前研修については、広島には行けなかった子どもたちも含め、できるだけ多くの子どもたちや市民が参加できる設定にしていただけないでしょうか。国分寺市教育委員会の教育目標の主要施策の中では、5番に平和に関する教育・学習の場として、講演会・映画会や教材の活用などを通して平和や命の尊さを学習する機会を設けるという目標が設定されており、その中には、公民館での事業も含まれています。

そこで、例えば事前研修を公民館事業と連携して、夏休みの連続講座として実施し、ピースメッセンジャーの子どもたち以外も参加可能な平和教育の場としてはいかがでしょうか。夏休みの学習や自由研究としても、学校と連携して、子どもたちへの参加の呼びかけもできると思いますし、参加した子どもたちは、平和記念行事でピースメッセンジャーの発表を聞くときも、自分が学んだことを踏まえて、より主体的に聞けるのではないでしょうか。これまで、市の取り組みとして市民とともに作成した戦争体験談集や非核平和都市宣言の周年記念誌についても、配布に終わるのではなく、講座の資料として活用するなど、さまざまな取り組みが考えられると思いますが、いかがでしょうか。

市民生活部長) ピースメッセンジャーについては、今、議員からさまざまな御提案をいただきました。まず、このピースメッセンジャー事業については、昭和63年から実施している事業でございまして、ことしの12名のピースメッセンジャーを含めますと375名ほどの今までのお子さんの参加をいただいております。

今までは1泊2日ということで、平和記念式典の参加のみにとどまっていたわけですけれども、ことしから1泊2日を2泊3日に延泊することで、そのことによりまして、議員の御紹介のありましたヒロシマ青少年平和の集いというものに参加することができるようになりました。その中では、御紹介の中にもありましたけれども、広島の中高生がリーダーとなって、ことしは15の自治体からの参加があったと聞いておりますけれども、その中で、平和について子どもたちの立場でワークショップをやったり、考えたりしてきたということでございます。

そのような内容を踏まえて、30日の平和記念行事とか、あと、15日の平和の日の前の平和記念式に参加していただきまして、ことしのピースメッセンジャーとしての御協力をいただいたということでございます。人数については、12名ということで、全体の小・中学生の数からすると少ないということは言えるのかもしれない、そのとおりかもしれませんけれども、当初、実施計画の中では、16名に増員するということで計画しておりましたけれども、昨年、市長が平和市長会議に参加した際に、途中から1泊2日の子どもたちと合流をしまして、時間的余裕がないということで、体験したり、感じたりすることにも限界があるだろうということで、人数をふやさずに、ことしについては、2泊にすることによって12名のお子さんということで、変化なしで行っております。ご提案の人数の増については、今後の検討の中で、実績等を踏まえて、さまざまてことを検証していく必要があろうかと思っております。

それと、あと、事前学習についての御提案がございましたけれども、今までピースメッセンジャーが広島に行く前に、確かに、おっしゃるように被ばく体験者の方のお話を伺って、事前学習をするということをやっておりました。ただ、その当日については、保護者の方との面談をしたり、健康状態のヒアリングをしたりする都合があったりしていますので、なかなか同日に開催するというのは、御提案ではございますけれども、もう少し検証していかなければいけないということはございますが、確かに応募されたお子さんについて、当選・落選というのはどうしても出てしまいますので、できれば、そのようなお子さんも対象に、広島のお話などについても、何か伝えられる場はできないかということについては、今後、検討してまいりたいと思います。

あと、戦争の品物の件についての今後のことについてお話がございましたけれども、ことし、市報で募集をさせていただいて、市民の方から、ごらんになったと思いますけれども、展示させていただいたような硫黄島からの手紙とか、そのような本物についてはお借りすることができました。今後についても、その持ち主の方との話し合いとか御協力の内容にもよると思いますけれども、貴重な品物でございますので、多くの市民の方にごらんいただいて、それぞれの立場で考えていただけるようなことは考えていきたいと思います。

事前研修の部分では、例えば2部形式で開催するなど、工夫、やり方、いろいろ考えられると思います。ぜひ、多くの子どもたちや市民も一緒に学べるという形で、オープンにしていくという視点からも、御検討いただきたいと思います。

また、ピースメッセンジャーの貴重な体験を一夏の体験に終わらせることなく、次の活動に生かしてつなげていくためにも、希望者には、ピースメッセンジャーの先輩として活動を継続できるような取り組みはできないでしょうか。広島では、中・高校生ピースクラブ、長崎では青少年ピースボランティアという名前で、次世代を担う子どもたちが主体的に平和活動を続けています。国分寺市でも、例えば、翌年にはピースメッセンジャーの事前研修や平和記念行事にスタッフとしてかかわることなども含めて、方法はさまざま考えられると思いますが、この継続した活動という視点ではいかがでしょうか。

市民生活部長) ピースメッセンジャーの継続した活動についてでございますけれども、確かに、議員のおっしゃるように、平和記念式と平和記念行事が終わると、今までは、行事とかをお願いすることについては、一応、そこで切れた形にはなっております。参加したお子さんについては、自主的にはなっていますけれども、ことしも参加していただいたのですけれども、平和記念行事などには、先輩のお子さんなどが参加されていて、市の職員などに御挨拶をいただいたりしております。

ことしの参加されたピースメッセンジャーの子どもたちに確認させていただいてはいるのですけれども、今後、もし、活動すればというようなことを投げかけさせていただいております。その辺は、保護者の方の同意を取っているということではなくて、快くオーケーということは、子どもたちの立場ではいただいておりますので、今後、保護者の方の御理解とか、そういうものをいただきながら、どのような展開ができるかということについては検討してまいりたいと思います。

子どもたちが、平和について引き続き発信し続けていけるような活動、そしてつなげていけるような活動を意識した取り組みを、よろしくお願いいたします。