「核廃絶にむけて東京からできること」~都議会超党派議員の参加で学習会を開催~

アメリカとイスラエルによるイラン攻撃が始まってから一か月。
世界は今、複数の紛争が同時進行し、戦争の長期化が現実味を帯びています。国際秩序が揺らぎ、核兵器の使用が語られることさえ珍しくなくなった今、「核なき世界」をどう実現するのかは、もはや遠い国の問題ではありません。こうした緊迫した情勢の中、「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」 国際運営委員兼会長、ピースボート共同代表の川崎哲さんをお招きして、3月26日に都議会で都議会立憲民主党・ミライ会議・生活者ネットワーク・無所属の会平和PT主催の学習会を開催し、都民ファーストの会、自民党、共産党、国民民主党、グリーンな東京の超党派の議員が参加しました。

◆核軍縮が後退し、核軍拡が再び進む世界
川崎さんはまず、世界の核兵器をめぐる現状を示しました。
1980年代には7万発あった核弾頭は、冷戦終結後に大幅に減少しました。しかし2024年頃から流れは逆転、核軍拡が再び始まっています。軍事費も世界的に上昇し、今は「大軍拡の時代」に突入しました。ウクライナ戦争、ガザでの戦闘、アメリカによるベネズエラ攻撃、そしてイランとの戦争 など世界各地で戦争や紛争が勃発しています。

世界にある核弾頭の数の推移

世界が不安定化する中で、「核には核を」という発想が勢いを増し、核兵器の使用がタブーではなくなる危険な空気が広がっています。象徴的なのが、アメリカの科学誌が毎年発表する「終末時計」です。2026年は残り85秒と、前年から4秒短くなり過去最短を更新しました。核リスクの高まりに加え、気候危機など複合的な要因が人類の未来を脅かしていると指摘されています。

◆ 「核を持たない」ことを安全保障とする国は120か国
そのような中、川崎さんが示されたもう一つの世界の現実。「核を持たないこと」を安全保障の柱としている国は、実は120か国にのぼります。核兵器を前提とした安全保障では、平和への道筋は描けません。必要なのは、武力ではなく、対話と協調による外交です。そして、核兵器禁止条約(TPNW)は、そのための国際的な枠組みです。

世界の非核兵器地帯

今年2026年は、条約発効から5年の節目であり、11月30日から12月4日までニューヨーク国連本部で第1回再検討会議が開かれます。この会議は、条約の運用状況を評価し、今後の方向性を決める重要な場となります。

◆東京が果たせる役割は大きい
世界8500都市が加盟する「平和首長会議」では、広島市が会長、長崎市が副会長を務めています。
日本と朝鮮半島を含む北東アジアを非核兵器地帯とする構想も、自治体が後押しすることで現実味を帯びていきます。

そして、世界唯一の戦争被爆国である日本の首都・東京が今年の第1回再検討会議に参加することができれば、そのメッセージは世界に向けて極めて大きなインパクトを持ちます。また、非核平和都市宣言をしている自治体は多くありますが、東京都は平和首長会議の参加や宣言は行っていません。東京都や都議会が核廃絶に向けた宣言アピールを行うことは、市民社会と国際社会の双方に対し、「東京は平和を選ぶ」という明確な意思表示になります。ニューヨークやパリなど、世界各地で都市が主体となり、シティアピールを採択している事例の紹介もありました。

◆東京から、平和への道を切り拓く
国際社会が不安定さを増す今こそ、自治体が果たすべき役割は大きくなっています。政党や会派の違いを超えて、東京から世界平和と核廃絶への取り組みを進めることが必要です。都議会から、東京都から、平和を願うすべての人々とともに、核なき世界への道を切り拓くため、引き続き力を尽くしていきます。

会派平和PTのメンバーで川崎哲さん(左から2番目)を囲んで。