7月15日(金)に、あきるの市の養沢にある東京・森の学校フィールドにて「森の学校」に参加しました。立川からバスに揺られること約1時間、山に入ると都内とは思えない程の大自然に囲まれて、マイナスイオンたっぷりの山の中を森林インストラクターの説明を聞きながら歩きました。
東京の森林事情としては、1つの山を30人以上の山主さんで所有していたり、その地域に住んでいない「不在地主」が約3〜4割もいることが、森林の整備や林業の発展を妨げる原因にもなっているそうです。
また、間伐が適切に行われないと森に光が入らずに植物が育たなくなり、雨によって土砂が流出しやすくなることや、人工林の約7割を占めるスギは高齢になると大量のスギ花粉を飛散するという問題もあります。多摩の人工林の多くは昭和30〜40年に植林されており、現在、木材として利用可能な50年前後の木が多くなっている一方で、それを切り出す林業の担い手が不足しています。
ご自身も養沢で木と共に育った、林業家の池谷きわ子さんの「木を育てることは子育てと同じで、植林してから20年間は枝打ち、間伐など適時の手入れが必要なため一番手がかかる時期である」という言葉に、森への深い愛情を感じました。
池谷さんの森は、森林ボランティアの方が入りきれいに維持・整備されていますが、林業とうい点では手をかけて木を育てても安い輸入木材が増えたことで、この10年間で国産木材の価格は下落。一方で、山から木を切り出す費用は変わらず、木を切り出して売ってもほとんど手元にお金が残らないために、この10年間はほとんど木材の販売はしていないとのことでした。
木を育てて売るまでに60年〜70年かかるため、林業は一代では終わらず次の世代に継承さなければならない仕事であると伺いました。林業家の人口が減ると技術の継承も難しくなっていくことから、豊かな森と水資源を守るために、60年先を見据えた森林政策の必要性を実感しました。