地域福祉権利擁護事業について
平成24年9月議会 一般質問③
Q. 地域福祉権利擁護事業、日常生活自立支援事業についても、推進していくということをあわせて取り組んでいくことが重要です。まずは、この事業について御説明いただけませんでしょうか。
A. 福祉保健部長こちらにつきましては、資料のほうに書いてございますとおり、在宅で生活をされている方で、認知症や知的障害、精神障害によって判断能力が不十分な状態で日常生活を営むのに支障がある方に対し、福祉サービスの利用に関する相談、助言や手続、支払い等の支援を行うという状況でございまして、これとは別に今、議員御指摘の成年後見制度がございますけれども、そこに至らない方に対して、東京都が行うというものでございます。
Q. 平成22年10月に行われた市民生活意向調査、介護保険実態調査では、地域福祉権利擁護事業の認知度が約4割とまだ低いこと、そして、こちらの資料にもありますように、新規契約件数は平成24年度は3件ということで、毎年数件程度にとどまっているという状況です。このことからも高齢者、障がい者など、各相談窓口での相談対応の中で、支援が必要な方をしっかりと制度利用につなげられるように、相談にかかわる職員はもちろんのこと、ケアマネを初め、介護サービス事業者や民生委員などへの制度理解についての研修や啓発を進めていただきたいと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
A. 福祉保健部長)この制度、大変必要で重要なものでございますので、そういったところについても丁寧に説明をしていきたいと思います。
Q. そして、その際に例えば発達障がいなど制度の狭間で苦しんでいる方への利用支援についても、積極的に取り組んでいただけないでしょうか。発達障がいの方の中には、手帳を保持しておらずに、福祉的な支援につながっていないけれども、日常の金銭管理などに課題を抱えている方など、また、親以外にも理解者、支援者が必要であるというケースも多いと伺います。特に金銭管理については、親子関係がうまくいっていない場合にはトラブルにつながる場合もあるとお聞きします。さらに、親以外の支援者ができるということは、当事者のエンパワーメントにつながることからも、今は利用できる福祉サービスがない状態の方でも、自立支援の一環という視点から、また、地域や社会とかかわっていくためのサービスとして必要があれば、地域福祉権利擁護事業を利用できるように、御本人や保護者への制度理解や情報提供についても進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
A. 福祉保健部長)この地域福祉権利擁護事業につきましては、こちらの資料に書いてあるとおりでございます。この事業は平成11年度より東京都の社会福祉協議会に委託をして、各区市町村の社会福祉協議会で実施をしているということでございます。今、議員の御意見ですので、こういったことについては少し社会福祉協議会のほうとお話をしてみたいと思います。
当事者に寄り添うという気持ちを持って、一人一人を大切に、必要な方が利用支援につながるような支援を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
日本は今、まさに超高齢化の到来だけではなく、ひとり暮らし世帯の増加、地縁、血縁の希薄化、虐待などの権利侵害など、地域生活を維持していく上での数々の困難を抱えています。そのような中で、判断能力が不十分であったとしても、生活者としての権利が守られ、その人らしい生活を維持することのできる支援が進むことを願います。