投票率向上の取り組みについて

平成26年12月議会 一般質問⑨

近年、全国的に選挙における投票率の低迷が続いており、国分寺市においても40%から60%ぐらいの中で推移している状況です。また、年代別の投票率については、一番低い20歳代では20%台、以降、年齢が上がるにつれて投票率も少しずつ上昇しまして、60歳代以上で60%台となっています。このことからも、投票率の向上には、年代別や対象者別に課題を分析し、対策を立てて取り組むことが重要であると考えます。今回は時間の都合もありまして、その中で高齢者、障がい者を対象とした取り組みに特化して提案させていただきたいと思います。

市民の方から、選挙に関心がないわけではないが、高齢になって足が悪くなり、遠くまで歩けない。また、障がいがあって、おひとりでの移動が困難であるといった理由で投票に行くことが難しいというお声を、よくお聞きします。今後、高齢化が進むことで、このようなお声はもっとふえていくことが予測されます。現在、市内では18カ所の投票所と、期日前投票所として市役所、ひかりプラザ、本町・南町地域センターの3カ所が設置されていますが、おひとりでの移動が困難な方の投票所までの移動をどう支援するかについて、対策の必要性を実感しています。公職選挙法の規定では、郵便投票などの制度がありますが、対象となるのは障がい者の場合は重度障がいと、高齢者の場合は要介護5以上となっており、利用できる方が非常に限定されています。

そこで、他市ではどのような対応がなされているのか、取り組み事例などを調べてみましたところ、新宿区では「投票所への移動に関する支援」、和歌山県の海南市では「投票所への移動に使える福祉サービス」というタイトルで、一定の条件を満たす方は利用できる介護保険サービスや、障がい福祉サービスについて、市のホームページで広報している自治体もございます。

このように選挙に関心がないわけではないのだけれども、投票所や期日前投票所までの移動が困難なために、投票に行くことをあきらめてしまっているという市民に対して、有権者で一定の条件を満たす人が利用できる制度として、まずは現在ある介護保険サービスや障がい福祉サービスなどの福祉制度について市報やホームページで広報したり、投票用紙発送の際に案内を同封するなどの工夫により情報提供を行うことで、投票に行く意思はあるけれども、やむを得ず行かれないという状況にある市民を1人でも減らすことにつながると思いますが、御担当としては、この点、どのようにお考えでしょうか。

選挙管理委員会事務局長) 今、岩永議員より御質問ありましたように、投票率の低下というのは若年層の20代、30代で多くあります。実際には、低い理由として主に3点ほどありまして、まずは関心の低さ、それから2点目は、候補者の情報が少ないという御指摘があります。そして3点目が投票の利便性です。今、御質問ありましたように、投票の利便性については、やはり投票所まで来られない方がいらっしゃいます。御紹介ありましたように、公職選挙法では郵便投票制度がありますが、介護では5という規定になっております。

御紹介ありました海南市ですけれども、ここは国分寺市の人口の約半分でございます。ところが面積は大変広くて、101.19平方キロメートル、国分寺市の約10倍です。それから投票所の数も、人口は半分ぐらいですけれども、国分寺市の18カ所に対して、この海南市は2.6倍の47カ所でございます。こういう地域特性があるということがわかりますけれども、基本的には投票率の向上というのは常に目指していかなければいけない問題と思っております。これからの高齢化社会の中で、投票所への移動が困難な有権者に対して投票の機会をどのように確保していくか、重要な問題だと考えております。

それから、先ほど御紹介ありました海南市も、実際にはホームページ等では福祉サービスということで行っていて、投票の部分のところでPRしております。実際、障がい者福祉サービスということで、1割負担で利用できるということになっております。当市においても障がい福祉サービスがあります。ただ、給付を受けるために、事前の認定と利用の申請が必要と聞いております。こういうところもありますので、市としては、これからの突然の選挙で、実際にはあした公示で14日の投票日になっておりますが、時間に余裕があるとき、こういうものの組み立てをして、実際、ホームページへの掲載とか、それから選挙の案内を市報折り込みで配布しますので、そういう機会を見つけて、このサービスのあることを福祉と一緒になってPRしていきたいと考えております。

障がい者に関しては、2010年に行われました障害者制度改革推進会議、これは障がい当事者や学識経験者が委員として参加した会議ですけれども、その中では、投票所への移動支援をどう考えるかについて、委員のほぼ全員から、移動の支援が必要であるという趣旨の意見が述べられています。また、国分寺市においても、今後さらなる高齢化が予測されています。高齢になっても、障がいがあっても、投票に行ける環境整備という点から、今後の対策について庁内で御協議、御検討いただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。