マイナンバー制度の見切り発車にNO!!

8/27(木)に開催した学習会「マイナンバーってよくわからない、なんだか不安」では、制度開始にあたり、課題や留意点を共有しました。

市民のプライバシー権を侵害する恐れや、民間利用への拡大による個人情報の不正利用や漏えい、増大するシステム関連予算など、多くの課題を抱えたまま見切り発車されたマイナンバー制度。生活者ネットは、制度そのものの見直しを求め、9月議会に上程されたマイナンバー関連条例に反対しました。

●懸念されるセキュリティ対策

今年6月に公表された日本年金機構の個人情報流出問題は、サイバー攻撃によって125万件もの年金情報が流出し、国民に大きな被害をもたらしました。マイナンバーに関連づけられた「特定個人情報」は、ひとたび流出すると得られる情報が多岐に渡るため、甚大なプライバシー侵害や犯罪に使われる可能性が懸念されます。

また、法が施行される直前の9月3日に、利用範囲を預金口座や医療分野にまで広げる制度に法改定されました。マイナンバー制度は、税・社会保障・災害対策だけでなく、出生から死亡まで、個人の健康情報を含む医療情報や、貯蓄等の資産に至るまでの情報を連携させ、国家による個人情報の一元管理を進める危険性をはらんだ制度となってしまったわけです。

行政だけでなく企業においても、アルバイトを含む従業員と、その扶養家族のマイナンバーを保管・廃棄する責任が生じます。しかし、制度開始時点でセキュリティ対策等の準備が整った企業は5%にも満たないという報道もあります。更に、10月から国民すべてに割り当てられた12桁の番号が記載された「通知カード」の配布が始まりましたが、住民票のない人や、DV被害者、被災者等への送付についても、もれなく、事故なく対応できるか等、課題が山積しています。

●自治体にのしかかる財政負担

国分寺市における財政的影響は、マイナンバー制度対応のシステム整備・改修に要する経費について、H26・27年度の2年間では約2億3千万円の予算のうち、国からの補助金の交付額は約38%に留まっています。更に毎年の維持管理費がかかります。当初の予定に比べて市の持ち出しが多く、結果として市の財政を圧迫します。

市議会では可決され制度はスタートしましたが、市民の個人情報保護の観点からも、引き続き注視していく必要があります。