「あなたもOK、わたしもOK、みんなOK」~多様性が豊かさをつくる~
「発達障がいを楽しむまちに」をテーマに活動する、えんがわSALONの5周年記念のミニ・シンポジウムが8月28日(日)国立市さくらホールで行われ、私も話題提供者の一人として参加させていただきました。
障がいがあっても、なくても共に育ち、学べる環境づくりについて、当事者の保護者、小学校教師、特別支援教育や、障がい児支援に関わる方々など、それぞれの立場からの現場の声と思いを共有し合いました。
パネルディスカッションでの発言から、印象に残った言葉をいくつか挙げてみたいと思います。
- 発達障がいの子どもの子育てについて、様々な指摘を受けたことで母親自身が追い詰められ、苦しいことがあったが、その後、子どもをありのままで受け入れてもらえた経験を境に、前を向くことができた。
- 障がいのある子が普通の子の中に入った時に、お互いにどうしたら良いかを考えることで周りの子ども達にも良い影響を与えていた。
- 学校がマイノリティに対しての診断、選別の場になってしまっている。義務教育のスタートから分けられることが始まっている。
- インクルーシブ教育とは、国際的には「分けない教育」「共に生きること」を言う。日本ではインクルーシブ教育システムという名の元に、多様な選択肢を作ることで、子ども達を分けることが進み、結果として同じ特性のある子どもだけの環境でしか育つことができなくなるというデメリットが生じている。
- 「普通学級は、定型発達の子どもだけ」という環境は、「クラスの中で他と異なることが気になる、同じでなければならない」という学校文化を生み出し、「枠からはみ出してはいけない」と、子ども達を追い詰め、苦しめることにもつながっている。
- 障がいのある子どもたちとコミュニケーションを取れた時、とても嬉しかった。関わり方が分かればもっとコミュニケーションが取れる。
- 特別支援とは人間理解。
- マイノリティが幸せでない国は、大勢も幸せではない。
後半は、一人ひとりが風船の形の用紙に丸いカラーシールをはって、独自のデコレーションをするワークショップがありました。同じ材料を使っても、出来上がった作品を見ると誰一人として同じ風船はありません。また、それぞれが独自の個性は出ているけれど、一緒に掲示してみると、みんなとても良い感じで調和しているのです!
「みんな違って、みんな楽しい」を実感した瞬間でした。
学校は社会の縮図です。
一人の子どもがどうやったら、同じ学校で学べるかを考えることは、大人になった時にどうやったら社会で共に生きることができるかを考えることにつながり、誰をも排除しない、優しく豊かな社会をつくる土台となるのだと思います。