「東京都こども基本条例」を活かすために~2022年度 東京都予算にむけて~
2021年4月に 東京都こども基本条例 が施行されました。小池知事は昨年の第4回定例会で、子ども施策を総合的に進めるために、組織の再編を2022年度に行うと表明しました。
子どもの権利を広め、進める!
大事なことは、主体である子ども一人ひとりがエンパワー※することです。
都は条例を受け、子どもの意見を施策に繋げるために「こどもホームページ」の創設を打ち出しました。作成の過程から子ども参加・アンケート募集など実施しながらすすめていますが、「子どもは保護の対象や支援を受けるだけでなく、社会をともに創るパートナーである」ことを根付かせ、あらゆる施策で子どもの意見を反映できるしくみこそが大切です。
※エンパワー:自らの内なる力に気付いてそれを引き出していくこと。
山積する子どもをとりまく課題
子どもの貧困や虐待、いじめや不登校、ヤングケアラーなど、子どもへの支援は待ったなしです。東京都では昨年「ヤングケアラーに関する連絡会」を立ち上げ支援策を検討しています。既に他県では中高生のヤングケアラーがいる家庭にヘルパーを無料で派遣する事業など、様々な取り組みが次々と始まっており、周知啓発に留まらない具体的な支援が急がれます。
ともに育ち学ぶ環境を
昨年9月に医療的ケア児支援法が施行され、これまで努力義務であった支援が“義務”となりました。医療的ケアの必要な子どもの「教育を受ける権利」が前進することに期待するものです。ともに育ち学ぶインクルーシブ教育をすすめるためには、地域の保育園や学校が、子どもの状況に応じた環境整備や相談支援、サポートする人員体制など、送迎、放課後対策も含め支援を整えることが必須です。「教育」と「福祉」という垣根を越えた連携をすすめる必要があります。
生活者ネットワークは、自治体が設置する児童相談所の支援や多摩地域での拡充・増設とあわせて、児童虐待やいじめを受けた子どもの側に立って権利救済と回復を支えるオンブズパーソンや子どもコミッショナーを設置するよう要望しています。
「こども基本条例」を活かし、具体的な施策として進めるために、財源の確保も含めて、東京都がしっかり取り組むよう求めていきます。