気候危機対策は「未来への責任」
“気候正義”を求める若者たちの声が全世界に広がる中、昨年のCOP26で採択された「気温上昇1.5℃まで」の目標達成は、大人が果たすべき「未来への責任」です。社会全体でいかに早く気候危機を共有し、行動に移せるかが問われています。
半世紀で5倍に!急増する気候災害
豪雨や干ばつ、山火事や海面上昇など、気候変動に伴う異常事態は年々深刻化し、世界の気候災害の件数は、過去50年間で5倍にも増えています。
気候危機の被害は、すべての人に平等にふりかかるのではなく、先進国よりも開発途上国、裕福な人よりも貧しい人と弱い立場の人ほど大きな被害を受けています。穀物地帯の砂漠化や水不足、バッタの大量発生などによる食糧危機を引き起こし、農作物など日本の食料自給にも大きく影響する深刻な問題です。
省エネ・再エネで脱炭素化を加速
国では「省エネ法」の改正が検討されています。省エネと再エネが進むよう、義務化も含めた検討が必要です。例えば、自治体の電力調達で再エネ電力の入札基準を設けたり、他自治体からの再エネ電力の購入を支援するなど、公共調達における取り組みも重要になります。
さらに建築物の※ZEB(Net Zero Energy Building)化の義務付けや、環境への負荷の少ないEV車のさらなる普及など、民間の技術開発との連携で、脱炭素化を加速し、原発に依存しない社会を実現すべきです。
※ネット・ゼロ・エネルギービルの略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにるすことと目指した建物
持続可能な資源循環社会へ
将来世代への負担をどれだけ改善できるかは、今の私たちの行動にかかっています。大量生産・大量消費という現代社会のあり方を見直し、廃棄物を出さない資源循環のしくみ「サーキュラーエコノミー」への転換が求められています。生活者ネットワークでは、コロナ後の経済回復が、持続可能な「グリーン・リカバリー」となるような施策を、東京都や各自治体へ引き続き提案してまいります。