2024年を振り返って

元旦の能登半島地震から始まった2024年もあと1日で終わりを告げようとしています。
震災に加えて猛暑や記録的な豪雨による水害などの気候災害も含めて、災害の多い一年でした。

気候変動の影響は、農畜産業にも及んでいます。夏から秋にかけて店頭からお米が消え、令和の米騒動とも言われる事態が起こりました。食料も燃料もその多くを海外からの輸入に頼る日本では、燃料や飼料も含めると、食料自給率は10%程度にも下がるそうです。日本の農業と農地をまもり、食料自給率をアップさせることが急務です。

国立市の田んぼでは、小学生の子どもたちが稲の収穫体験も行っている。

2025年1月から、都の補助金を活用して都内の全自治体で学校給食の無償化がスタートします。給食の無償化を機に、給食食材の質を高めて地場産野菜を増やす地域の取り組みを応援するよう、都議会一般質問で提案しました。貴重な都市の農地をまもり、都市農業を応援していきます。

都議会一般質問で、学校給食と都市農業について質問。12月11日。

10月には日本被団協のノーベル平和賞受賞という嬉しいニュースが世界中に駆け巡りました。その数日前に、20歳の時に被爆した長崎の義母が99歳で天国に旅立ちました。被爆者が高齢化し、次々と亡くなっています。来年は広島・長崎に原爆が投下されてから80年。世界ではパレスチナガザ地区での紛争や、ウクライナでの戦争も長引く中で、核の脅威はますます高まっています。

唯一の戦争被爆国として、核なき世界にむけ日本政府は一日も早く核兵器禁止条約に署名・批准すべきです。そして来年3月の第3回締約国会議へ日本政府がオブザーバー参加するよう、声をあげていきます。

2017年にノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲さん、世田谷・生活者ネットワーク前区議の高岡じゅん子さんと。12月22日。

今年は世界中で多くの選挙が行われ、民主主義の行方を心配する声が大きくなりました。

日本では、7月に都知事選挙、10月には衆議院議員選挙、11月の兵庫県知事選挙、12月の国立市長選挙など、選挙が続いた一年でした。そしてYoutubeやSNSなどのネット上での誹謗中傷やフェイク情報が過激さを増し、掲示板を占領する「ポスタージャック」などが起こりました。

10月の解散総選挙では、裏金問題が争点となり、有権者は与党を少数に追い込みました。地元の衆議院 東京19区 立憲民主党の末松義規さん、21区大河原まさこさんの小選挙区での勝利をはじめ、東京・生活者ネットワークが推薦した多くの候補者が当選を勝ち取り、30年ぶりに野党が予算委員長を務めるなど、国会運営にも大きな影響を与えました。

年収103万円の壁は上がりましたが、暮らしが楽になる実感はまだまだありません。物価高や燃料費の高騰が市民の生活を直撃しています。

年末にボランティアとして参加した「年末年始 困りごと相談会inくにたち」では、開始前から多くの人が並んでいました。相談内容も昨年よりも多様で、複雑化していると感じました。一人暮らしの方が複数の課題や不安を抱えていることを総合的に受け止める支援と、家族まるごと支援の必要性を感じました。

「年末年始困りごと相談会inくにたち」は、民間団体と国立市、社会福祉協議会の協働開催。福祉課職員も参加して緊急的な相談は行政にその場でつながれる。

人材不足も深刻化しています。地域公共交通の運転手不足の影響で、国分寺市をはじめ日野市や多摩市でも地域コミュニティバスの運行に支障が出ています。このようにエッセンシャルワーカーとして働く人、特に保育や介護などケアの現場の人材不足、学校での教員不足など、人に関わる人材の確保や配置なども喫緊の課題として引き続き改善を求めていきます。

そのような中、年末の国立市長選挙では、自民・公明・維新・都民ファーストの会の推薦を受けた現職をやぶり、無所属の若いリーダー、はまさき真也 新市長が誕生したことは、市民政治への大きな期待と希望です。

●新しい年、2025年に向けて
来年2025年夏には都議会議員選挙があります。7月には参議院議員選挙、あるいは衆参同時選挙とも言われており引き続き選挙の多い一年となりますが、地域に根差して市民政治をつなげてきた元祖地域政党・生活者ネットワークの役割がますます大事な年にもなると確信しています。

市政・都政が連携して、ひとを大切にし、多様な個性が息づく地域をつくることに力を注いでまいります。来年もよろしくお願いいたします。

国分寺・生活者ネットワークと国立・生活者ネットワーク合同の歳末遊説@国分寺駅。12月25日。

国分寺・生活者ネットワークと国立・生活者ネットワーク合同の歳末街宣@国立駅。12月27日。

どうぞ良い年をお迎えください。

2024年12月30日
岩永 やす代