緊急事態だからこそ問われる 地方自治のあり方
新型コロナウイルス感染症対策のため、市議会では第一回定例会の日程変更等の臨時的な対応が行われました。危機的な状況下においても議会機能を維持し、行政対応についてチェック・検証したり、市民の要望に沿う提案をする等、議会の役割があります。緊急時にも議会として速やかに対応できるよう具体的な取り決めも必要です。
●子どもの育ちと学びを保障する
新型コロナウイルス感染拡大は、子どもたちの生活にも大きな影響を与えました。2月末の政府の全校一斉休校要請を受け、市では3月から小・中学校が臨時休校となり、あわせて市内公共施設も臨時休館となりました。一方で、学童保育所は朝から19時までの長時間の開所となりました。
急な決定だったこともあり、子どもたちをはじめ多くの市民から、「人口密度の高い学童保育所内での感染リスクが心配」「子どもたちの居場所や外遊びができる場の確保を」「支援が必要な子どもを学校で受け入れて欲しい」「子どもの生活が昼夜逆転している」「学力格差の広がりが心配」等、様々な声が寄せられました。
このような声を受け、国分寺・生活者ネットワークでは、感染リスクに配慮した上で子どもの育ちと学びを保障する観点から次の項目等を市へ要望しました。
*学校の教室や体育館を活用した学童保育の実施
*特別な支援が必要な児童・生徒の日中の居場所の確保
*プレイステーションの再開
*市立図書館・学校図書館の開館と予約本の貸し出し
*学校での子どもの受入れと学習支援や昼食の提供
*子どもの心のケアと相談体制の整備
*DV・児童虐待防止対策
*子どもの貧困対策、等
●子どもたちの声が届いた!
特に西元町のプレイステーション(冒険遊び場)の急な休園については、3月末の移転前の最後の時期でもあり、子どもたちからも開園を望む多くの声があがりました。これらの声を受け止めて、入れ替え制等の対策を行った上で最終日の臨時開園が決定され、市民からも喜びの声が届きました。子どもをはじめ、市民・事業者・市が知恵と力を出し合い、迎えた最終日となりました。
日々刻々と状況が変化する中で迫られる難しい判断も多くありますが、前例のない緊急事態だからこそ、市民の生命と安全を最優先にした上で、地域の実情にあわせて判断する地方自治のあり方が問われています。そしてその前提には、日頃から市民の声を聞き、対話を重ねることはもちろんのこと、子どもに関わる事柄については子どもへのわかりやすい情報提供と丁寧な説明が必要ですし、子どもの意見を聞くことを忘れてはなりません。感染症の影響は長期化することが見込まれていますが、今後も子どもの権利の視点に立った対策を求めていきます。
▼4月に東戸倉に移転したプレイステーション。設計の段階から子ども参加のワークショップが行われ、市民の声が盛り込まれました。
建物内では親子ひろばや相談室、中高生の居場所など、活動の幅が広がります。
子どもたちや親子にとって、思いっきり遊べる遊び場であるとともに、大切な心の居場所として発展していくことを期待しています!(4月当初から臨時休園となっています)