女性への差別や暴力を許さない!~すべての人の人権が尊重されるジェンダー平等社会の実現にむけて~
女性差別撤廃条約が1979年に国連で採択されてから40年以上が経ちました。現在189か国が条約を締結しています。日本は1985年に批准し、「雇用機会均等法」や「男女共同参画社会基本法」など、法整備は少しずつ進んできましたが、女性差別は依然として解消されていません。
政府は女性活躍推進と言っていますが、各国における男女格差をはかる「ジェンダー・ギャップ指数2019」によると、日本は153ヶ国のうち121位と低い状況です。先進国の中では最下位です。
その原因の一つとして、日本政府が「女性差別撤廃条約 選択議定書」を批准していないことがあげられます。この「選択議定書」を批准することで、例えば不当な差別を受けた時に国連に通報できるなど具体的な救済のしくみを整えたり、法の整備も進むため、条約の実効性を高めることができます。この「選択議定書」は条約締結国のうち114か国が批准していますが、日本はまだ批准していません。
今回のオリパラ組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視の発言が大きな社会問題となっています。あってはならない発言ですが、これが日本の実態でもあるのだと思います。
これまでもDV・性暴力などの暴力や、賃金格差や非正規雇用など雇用の問題、さらには大学入試での差別的扱いなど、変わらない不平等と社会の意識を変えていくために、多くの市民が声をあげています。
そして今、コロナの影響を受けて「女性不況」と言われるなど、収入が激減したり、職を失う女性が増えています。ステイホームによるDVや性暴力の増加、女性の自殺が増えるなど、女性の問題が大きくクローズアップされています。国連のグテーレス事務総長は、コロナ対策の中心に、女性と女児を据えるように各国に呼び掛けています。
このような時だからこそ、「選択議定書」は女性の人権保障の国際基準として条約の実効性を確保する重要な役割を果たします。日本が批准することで、ジェンダーの問題に関する諸課題の解決にむけた一歩となり、こうした不平等をなくすための効力が強まることが期待されます。
国連からこれまで何度も日本政府に批准を検討するよう求められています。政府はこの状況を真摯に受け止めて、ジェンダー平等を実現し全ての人の人権が尊重される社会をつくるため、選択議定書の批准に向けて動き出すべきです。
そして、そのためには意思決定機関での女性の割合と、女性のリーダーを増やすこと。「政治分野における男女共同参画推進法」ができて、2年半が経ちますが、政党の努力義務に留まる理念法であるため、未だに衆議院議員の女性の割合は9.9%と1割にも満たない現状です。
今年は衆議院議員選挙・東京都議会議員選挙など、大事な選挙が行われます。
女性の力で、市民の声で政治を変えていきましょう。共に声をあげ、行動していきましょう!