東京都2024年度の教育予算をみんなで見てみた ~子育て当事者が都の教育に求めるもの~

2024年度の都の教育予算は前年度比12.6%増、初めて1兆円を超えました。増額の主な理由は、来年度で小学5年生まで導入が進む35人学級対応に伴う教員定数増や、小学校での教科担任制の推進、学校給食費の負担軽減などがあります。

子どもたちの学校生活に大きくかかわる都の教育予算をみんなで見てみようと、国分寺・生活者ネットワークの会員発で「東京都の教育予算をみんなでみる会」を開催。現役保護者を中心にオンラインあわせて17名が参加し、ワイワイと意見交換しながらの学びの場となりました。


●教員不足は都の責任
教員不足が深刻化していますが、教員志望者の減少に歯止めがかからず、2024年度の公立学校の採用試験の倍率は過去最低の1.6倍となりました。中でも小学校では1.1倍と警戒域です。代替教員がなかなか見つからずに副校長や校長が授業に入ったり、支援員や介助員などの制度があっても採用できない、などの声が多く届いていました。

生活者ネットワークでは、いじめや不登校など、子どもの権利の視点からも課題が山積する学校現場で深刻化する教育不足の改善のために、教員採用や教員配置の抜本的な見直しを求めてきました。来年度の教員定数は784人増え、その他に担任業務の補佐にあたる「エデュケーション・アシスタント」を全小学校に配置、不登校の子どもが通える校内分教室「チャレンジクラス」を中学校に設置して指導教員を配置、特別支援学校への就学が適当と判定された子どもが身近な地域の学校に通う場合に、日常生活の介助や学習支援等を行う「インクルーシブ教育支援員」の配置などの予算が付きました。

支援の充実が期待される一方で、子ども目線に立った柔軟な運用ができるのか、予算はあるけれど支援員の募集と採用は自治体となるため、必要な人材を配置できるのか、現場や保護者から不安の声も届いています。人材募集と採用、その後の研修などは教育行政を担う都の責任であり、引き続き都に求めていきます。

●ICT教育はハードとソフトの両面で
国のGIGAスクール構想で一人一台端末が導入されてから5年を迎え、端末更新の予算として61億円が計上されました。子どもたちの学びの選択肢としても今後の活用が期待されていますが、一方で、いじめやネット依存、SNSを介して事件に巻き込まれるなどの課題もあり、運用面においては工夫が必要です。デジタルやバーチャル社会の中で、子どもの頃からインターネットリテラシーを身に着けることや、タブレット端末からインターネットトラブルの相談窓口にアクセスできるような対応も含めて相談体制を要望しています。

教員ごとのICTスキルの差が活用頻度や指導内容にも大きく影響しています。教員研修はもちろんですが、ICT支援員の配置を義務化するなどの体制が必要です。賛否両論あるICT活用の現状や課題を検証して、ハード面だけでなくソフト面での対策も求めて行きます。