都立高校入試での「英語スピーキングテスト」導入について

今年度の都立高校入試から英語のスピーキングテストが導入される予定です。

これからの国際社会の中で、英語でのコミュニケーション力を高めることはもちろん重要なことですが、都立高校入試でのスピーキングテストの導入については様々な課題があります。

テストは秋に一斉に行われ、都立学校や民間施設等の試験会場でタブレット端末に録音した生徒の音声を点数化し、入試の調査書点に加算する形式です。会話力を数値化することは難しいと言われており、公平な採点ができるのかなどの問題が指摘されています。

スピーキング力を育むためには、間違いを恐れずに英語で話す機会を積み重ねることこそが重要です。小・中学校での英語の授業が実践的なコミュニケーションに重点を置いた活動へ大きく転換する期待もある一方で、テスト対策の英語教育に拍車をかける懸念もあります。

今年度からの都立高校入試への導入については、当事者である生徒や保護者への説明が学校任せになっており、目的や必要性をはじめ、配慮を必要とする生徒への特別措置についてなど、説明が十分に行われていません。

特に現中学3年生はコロナ禍の全国一斉休校の真最中に中学校入学を迎え、緊急事態宣言やまん延防止等措置が続く中、学校生活においても会話や発声を伴う活動が著しく制限されてきました。そのような状況下でのスピーキングテストの導入には問題があり、再検討すべきと考えます。