幼児教育・保育の無償化について

今年の10月から、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳~5歳の全ての子どもと、0歳~2歳の非課税世帯の利用料が無償化されます。保護者の経済的負担の軽減は歓迎されますが、いろいろな課題も見えてきました。

子どもの育ちを応援する多様な教育・保育を

対象となる保育施設では、待機児童の増加が懸念されます。また、対象外となる幼稚園類似施設や自主保育等は国の財政支援が受けられないため、利用者が減って存続が難しくなるかもしれないという不安の声もあがっています。独自の教育方針や理念で運営される特色ある教育・保育を含めて、地域の子育て・子育ちをどのように多様で豊かなものにしていくかが問われています。

また、無償化と言っても月額に上限があり、認可外保育施設3万7千円、私学助成の幼稚園(市内の4園)2万5,700円(加えて1万1,300円までの保育サービスは利用可)以上は保護者負担になります。利用料以外は各自治体の裁量に任されているため、保護者へのていねいな説明が必要です。

実施体制づくりの課題

さらに、給付方法が2つあり、償還払い(保護者が一時的に立て替え)か、あるいは法定代理受領(立て替え不要)かは、施設によって異なります。また、一時保育・幼稚園の預かり保育・ファミリーサポートなど、多様な保育サービスが対象となるため、保育の必要性を一人ひとり認定する作業や給付までの事務も煩雑になります。これらを短期間にすすめなければならず、担当部署への過重な負担も懸念されます。

無償化導入までの経費は、2019年度は事務費を含めて国が全額負担することになっていますが、複雑な認定・給付に対応するためのシステム改修費は約6千万円のところ、国からの補助は約2千万円で、残りの約4千万円は市の一般財源から支出されます。

国分寺市では9月議会で利用者負担と運営に関する条例改正が予定されていますが、「全ての子ども」という視点で取り組んでいきます。